子供が公園や学校などにある遊具で負傷した事故の情報が昨年12月までの約6年間に計約1500件寄せられたとして、消費者庁は10日、保護者らに注意を呼び掛けた。暖かくなって外遊びが増える春に事故が多くなる傾向があり、同庁は「保護者が子供から目を離さずに気を付けることで避けられる事故は多い」としている。
消費者庁によると、09年9月~15年12月、12歳以下の子供が公園や学校などの遊具で負傷した事故の情報が計1518件寄せられた。うち397件は入院や治療期間が3週間以上となる事故で、死亡事故も4件あった。年齢別では6歳以下が約7割を占めた。
遊具の種類別では「滑り台」が440件で最も多く、「ブランコ」233件、「鉄棒」141件、「ジャングルジム」120件と続いた。事故の内容は多い順に「転落」974件、「ぶつかる・当たる」247件、「転倒」162件など。
滑り台では、滑走面を立って登っていた男児が、滑り降りてきた子供と接触して地面に転落、頭蓋骨を折ったケースがあった。
滑り台の上の柵を越えて遊んでいた男児が、高さ3メートルから墜落して胸部と背部を骨折したケースもあった。
ともに不適切な遊び方をしていたのが原因で、消費者安全課は「それぞれの遊具で正しい遊び方を守らせ、遊具やその周辺でふざけないよう子供に言い聞かせるのが重要」と指摘している。
ひもやフード付きの服、ランドセルやカバンなどが遊具に絡まって起きる事故も目立ち、滑り台の手すりの出っぱりにポンチョが引っかかり首が絞まって死亡したケースもあった。重大事故につながることが多く、同課は子供の服装や持ち物に注意するよう求めた。
他の注意点として▽施設や遊具の対象年齢を守る▽6歳以下の幼児には保護者が付き添う▽天候に気を付ける▽遊具の不具合や破損を見つけたら利用せずに管理者に連絡する――を挙げている。
日本経済新聞/ 2016年2月10日